脂肪再生豊胸のその他のQ&A
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特許を読んだのですが、あまりよくわからないところがあります。脂肪再生豊胸特許について教えてください。
脂肪再生豊胸はあるお客様(症例)が目の下のたるみで皮膚再生注射を受けたときにすごく効果があり、これなら豊胸もできるのではないかと考えて脂肪再生豊胸を試してもらいたいといわれて開発しました。
偶然にもそのお客様(症例)で豊胸効果があり、その後も他の2名のお客様(症例)からそのような依頼があり、脂肪再生豊胸をおこない、その結果で特許を取得しました。
最初から脂肪乳剤(イントラリピッド)、血漿、塩基性線維芽細胞成長因子(b-FGF)を用いて脂肪再生豊胸溶液を作成しました。図1では施術回数が1~3回までは片側の乳房に50mlの脂肪再生豊胸溶液を注射しています。4回、5回目の施術では片側の乳房に100mlの脂肪再生豊胸溶液を注射しています。片側の乳房に50mlの脂肪再生豊胸溶液注射を行っている1~3回の施術では1か月後に行った測定でおおよそ1.5 ㎝前後、胸囲が大きくなります。一方、片側の乳房に100mlの脂肪再生豊胸溶液注射を行っている4回目、5回目の施術では1か月後に行った測定で2.5㎝前後胸囲が大きくなります。この方は脂肪再生豊胸で乳房が大きくなりやすい方で、一般的ではありません。脂肪再生豊胸では注射する脂肪再生豊胸溶液量が増えると豊胸効果が大きくなることを図1が示しています。
図2は2番目に脂肪再生豊胸施術を受けたお客様(症例)のデータです。
2000年に鳥取大学農学部獣医内科学科のウーらはウシの間質血管細胞の前脂肪細胞がイントラリピッドで脂肪細胞に分化することを報告しています。この結果から脂肪乳剤のイントラリピッドがこの脂肪再生豊胸に関与しているのかを調べました。図2では片側の乳房に100mlの脂肪再生豊胸溶液注射を行いました。1~3回の施術では1か月後に行った測定で増加した胸囲の長さは0.2~0.3㎝です。しかし、50%(体積%)のイントラリピッドを加えると4回目の施術では1か月後に行った測定で2.4cm胸囲の長さが増加しました。さらに、5回目の施術で塩基性線維芽細胞成長因子(b-FGF)を2倍の濃度に増やすと胸囲は4.1cmと前回よりも大きく増加しました。この結果は脂肪再生豊胸には脂肪乳剤(イントラリピッド)が不可欠であることを示しています。
3番目のお客様(症例)は献血豊胸の一つであるPPPジェル豊胸を希望され来院されました。
図3の1~3回の施術では血小板が少ない血漿(Platelet Poor Plasma:乏血小板血漿)を採取して、加熱してPPPジェルを作成し、それに脂肪乳剤(最終濃度50V/V%)、塩基性線維芽細胞成長因子(b-FGF:最終濃度2.5µg/ml)を添加して脂肪再生豊胸をおこないました。1か月後に行った測定では豊胸効果は全くなく、胸囲の変化は0~0.1㎝でした。この方では4回目から6回目の脂肪再生豊胸ではPPPジェルの代わりに、非加熱血漿を用いましたが、脂肪乳剤を除いて脂肪乳剤の脂肪再生豊胸での効果を再検討しました。その結果、1か月後に行った測定では胸囲は1.0cm前後増加しましたが、血漿、塩基性線維芽細胞成長因子、脂肪乳剤を加えた場合、1か月後に行った測定では胸囲は3.2~4.4cm増加し、脂肪乳剤を加えた方が3~5倍の豊胸効果を認めました。
図2、図3の結果で脂肪乳剤を使用しない場合は献血豊胸のPPP豊胸、PRP豊胸に該当します。図2の1~3回目の施術と図3の4~5回目の施術では血漿を用いており、PRP豊胸に近いと考えられます。PRPという治療を行うクリニックではPRPにはおおよそ塩基性線維芽細胞成長因子が加えられています。塩基性線維芽細胞成長因子の添加されていないPRP治療は稀です。PRPに塩基性線維芽細胞成長因子を加える理由ですが、塩基性線維芽細胞成長因子が添加されていないPRPは塩基性線維芽細胞成長因子を加えたPRPよりも治療効果が少ないと考えられます。塩基性線維芽細胞成長因子が加えられていないPRPは全く効果がない場合もあります。
したがって、PRP豊胸では塩基性線維芽細胞成長因子が添加されています。この塩基性線維芽細胞成長因子を添加したPRPは図2の1~3回の施術や図3の4~6回の脂肪乳剤を添加していない脂肪再生豊胸溶液と類似していると考えられます。この脂肪再生豊胸溶液に脂肪乳剤を加えてない場合でも施術1か月後に行った測定では0.2~1.1cmの乳房増大効果を認めましたが、これは脂肪乳剤を添加した場合の1~3割の効果です。これらの結果からPRP豊胸は脂肪再生豊胸の効果の良くて2割ほどの効果しかないことが分かり、PRP豊胸により乳房を成長(バストグロー)させるのに十数回の施術が必要なことと一致します。また、図3に1~3回の施術はPPPジェル豊胸に類似したものです。図3に示すように1~3回の施術では豊胸効果は全くないので、PPPジェル豊胸も効果が期待できないと考えられます。
最後にこれらの3症例の結果をまとめたのが図4です。
脂肪再生豊胸の施術条件を色々変えているために施術回数は5~8回となっていますが、最近の脂肪再生豊胸溶液を用いた場合、実際、トップバストとアンダーバストの差が10cmの方が15cmになるのは2回の施術が一般的です。 -
脂肪再生豊胸注射とはどのような豊胸ですか?
脂肪再生豊胸を説明するにあたり、術前の乳房の断面を図1Aに示します。図2に脂肪再生豊胸を示します。脂肪再生豊胸では乳腺とその周囲脂肪組織が増加します。脂肪再生豊胸を起こす医薬品は乳房に注射されますが、1~3週間までに完全に代謝されるか体外に排泄されます。図2に示したように脂肪再生豊胸では乳腺組織と脂肪組織が増えます。乳腺や、脂肪組織の体積が増えてもクーパー靭帯が細くなったり、切れたりすることはなく、むしろクーパー靭帯は太くなります。
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ほかの先生から聞きました。顔に入れる量とは比べものにならない程の量のヒアルロン酸をバストに注入すれば、硬さも本物とはあきらかに違うようです。脂肪再生豊胸注射は自然の柔らかさで安全そのものなのでしょうか?
そうです。その通り、脂肪再生豊胸注射でできた乳房の柔らかさは自然そのものです。
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脂肪再生豊胸注射がより安全ということは分かりました。ただ情報が少なすぎるので、実施しているクリニックのサイトか何か、具体的なことをご存知でしたら教えて下さい。
クリニックビューティー恵比寿も特許実施権を借りて、脂肪再生豊胸を行っています。実施しているクリニックはクリニックビューティー恵比寿だけですが、、その理由は特許を他のクリニックに貸与していないからです。現在、脂肪再生豊胸注射の特許を借りて、脂肪再生豊胸注射を行いたいクリニックを募集中だそうです。
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渋谷と名古屋にあるクリニックも類似の施術をしているのも調べてみましたが、詳しいことは言えないと言われました。脂肪再生豊胸注射と同じなのでしょうか、同じじゃなかったらどう違うのでしょうか?
そのクリニックは存じています。なぜかそれらのクリニックでは治療法について詳しい説明をしていただけないようですので類似の治療かどうかは不明です。
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民間クリニックは成功例のみを広告に出して宣伝している事が多いので、何を信じてよいか分からなくなりつつあります。脂肪再生豊胸注射のほかにRPP豊胸、献血豊胸、PPP+PRPジェル豊胸、ビーナス豊胸などいろいろな豊胸術がありますが、何をポイントに信じたらいいのでしょうか?
豊胸方法を学会には発表しているか、論文になっているかが大きなポイントです。
また、脂肪再生豊胸注射のように特許として登録し、閲覧できるようになっているかが大切です。脂肪再生豊胸注射は2015年10月9日の日本癌学会で発表しています。「ヒトで豊胸を可能にする初めての再生医療技術」という演題でした(http://www.myschedule.jp/jca2015/search/detail_session/id:411)。癌学会は癌についての研究を行っている先生のほか、細胞生物学の研究者など日本最大の医学生物学の研究者の学会、権威があります。脂肪再生豊胸注射は再生医療の分野で発表させていただきました。座長は大阪大学大学院薬学研究科応用医療薬科学専攻准教授の岡田直貴先生でした。問題点についての指摘はなにもありませんでした。 -
豊胸のことで豊胸専門の先生のカンセリングを受けてきました。脂肪再生豊胸注射と献血豊胸は同じなのでしょうか?
献血豊胸はまったく効果のない治療方法だと思います。
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脂肪再生豊胸注射の定着についても聞いてみましたが、先生は知りませんでした。どうしてなんでしょうか?その先生が知らないだけなのでしょうか。脂肪再生豊胸注射はやっぱり一年後には吸収されるのですか。
特許として脂肪再生豊胸注射は公開してあり、癌学会でも発表しましたが、その先生は脂肪再生豊胸注射を知らないのですね。脂肪再生豊胸注射では1度大きくなった乳房は消失しません。脂肪再生豊胸注射の約200例では、一度で発達した乳腺がなくなった例はありません。
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脂肪再生豊胸注射のように歴史の浅い治療は、5年後、10年後がやはり心配になります。特許を取ったということは、信じても良いのでしょうか?
脂肪再生豊胸注射を受けた後約10年ほど経過した方たち数名では乳腺の委縮、発癌は起きていません。
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美容外科医ではないですが、あるお医者様に脂肪再生豊胸注射のことを聞いてみました。そしたら、「吸収されることを見越して、ある程度の量を入れるから、ちゃんと残る。」みたいなご見解でした。そうなんでしょうか?
脂肪再生豊胸注射では注射した脂肪再生豊胸注射用混合液がある程度消失すると考えて注射する脂肪再生豊胸注射液の量を決めています。
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脂肪再生豊胸注射は献血豊胸のことですよね。
脂肪再生豊胸注射は献血豊胸ではありません。献血豊胸はまったく違います。
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脂肪再生豊胸注射は定着率の低さだけではなく、しこりもみられるようですし、何より脂肪再生豊胸注射の症例が少ないので心配ですよね。
しこりができないのは脂肪再生豊胸注射だけです。脂肪豊胸ではかなりの確率でしこりができます。またPRPによる豊胸後にしこりが発生します。ヒアルロン酸豊胸後もしこりが生じます。脂肪再生豊胸注射とPRP豊胸は異なった豊胸方法です。PRP豊胸には血小板由来の数多くの成長因子が入っていますのでしこりができてしまいます。
脂肪再生豊胸注射の効率としては100mlの脂肪再生豊胸注射溶液を1回注射すると約1cm~2cm、カップにして1/5~4/5カップ大きくなります。症例はいま200例くらいです。副作用として2例ありますが、その頻度は1%前後です。この2例では脂肪再生豊胸注射後にある薬剤を大量に使用して、期待した豊胸効果より2カップ大きくなりました。ここでその薬剤名はいろいろ差しさわりがあるので公表できませんが、その薬剤を使用しなければ大きくなりすぎることはありません。脂肪再生豊胸注射を受けられるときにその薬剤を使用しない様に申し上げています。 -
オペ内容がよくわからないのですが、採血して、成分を加えて、その血液を胸に注射するのですか?どのくらい血を抜かれますか?
脂肪再生豊胸注射溶液200mlでは採血量は220mlです。
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脂肪再生豊胸注射は成長因子を添加すると書いてありますね。PRP治療で成長因子を加えて過剰に膨隆して問題になっているものと同じじゃないですか?
同じではありません。PRP治療ではPRPは血小板を採取してきて壊して、使用しています。したがって数多くの成長因子も入っています。脂肪再生豊胸注射では血小板などが入っていない血漿を使いますから、PRPと違い多数の成長因子が入っていません。ここが決定的に脂肪再生豊胸注射とPRP豊胸が違うところです。
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材料も血液から取り出すのでPRPやPPPの類似でしょう。
材料は血液ですが、脂肪再生豊胸注射とPRP治療では成長因子の種類が違います。PRPは数種類の成長因子が線維芽細胞に働くので、硬くなったり、再膨張したりすると思われます。脂質が存在すると線維芽細胞の増殖を抑制するのではないかと思っています。
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回数も9回以上繰り返すことがあると書いてますよね。
9回以上豊胸注射が必要なのは東京、名古屋にあるグ●ウ豊胸をやっているミ●ミクリニックのことでしょうか。脂肪再生豊胸注射の回数は多くて6回までです。
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学会でも話題にならないようですし、何か胡散臭いと思うのは私だけでしょうか?
2015年10月9日の日本癌学会で発表しています。「ヒトで豊胸を可能にする初めての再生医療技術」という演題でした。(http://www.myschedule.jp/jca2015/search/detail_session/id:411)。
癌学会は癌についての研究を行っている先生のほか、細胞生物学の研究者など日本最大の医学生物学の研究者の学会です。脂肪再生豊胸は再生医療の分野で発表させていただきました。座長は大阪大学大学院薬学研究科応用医療薬科学専攻准教授の岡田直貴先生でした。ここで安全性について議論になるかと思われましたが、特に質問もありませんでした。 -
脂肪再生豊胸注射ではありませんが脂肪再生豊胸注射とPRP治療は似ていると思うので質問させてください。PRP治療で成長因子を加えて過剰に膨隆させてしまうことが問題になっているんですか?
そうです。PRP治療では血小板から出てくる成長因子の種類が問題で、その中のTGF-β(ティジィエフベーター)が問題を起こすと思っています。このTGF-βが皮下組織を硬くして、過剰に膨隆させてしまいます。
PRP治療を知らないと理解できませんからPRP治療を簡単に説明します。PRP治療では一度血小板を取りだします。これを多血小板血漿と呼び、英語表記でPlatelet-Rich-Plasma:PRPと呼びます。取りだした血小板にカルシウムを加えて破裂させます。すると血小板の中にあった数種類の成長因子が血漿中に出てきます。皮下組織を作るために皮下組織にこれを注射するのがPRP治療です。ですから、PRP治療で豊胸はできません。PRP治療は皮下組織を作るためのものです。脂肪再生豊胸注射では血小板は使用しません。血球成分は完全に全部廃棄します。残った血漿に成長因子と合成脂質を加えるだけで、まったくPRP治療と違います。 -
過剰に膨隆させたらどんなデメリットがあるんですか?しこり?凹凸ですか?
この質問はPRP豊胸した場合に過剰に膨隆したらどうなるのかという意味でしょうか?その意味ではしこりができますが、外見的にでこぼこになることはないと思います。
脂肪再生豊胸注射ではしこりはできませんし、凸凹もできません。脂肪再生豊胸注射を繰り返さないとそれほど過剰に胸が大きくなりません。2カップほど期待していたサイズより大きくなった例が約200例中2例あります。この2例では豊胸後にある薬剤を過剰に使用していました。脂肪再生豊胸注射では慎重に治療回数を決め、不必要な薬剤を使用しなければ膨隆することはありません。 -
もし脂肪再生豊胸注射で胸が大きくなるんだったら本当に脂肪再生豊胸注射って魔法みたいなものなのに、何故話題にならないのか?とっても不思議です 。
特許を盗まれないかと警戒して学会で発表しないできましたが、2015年11月日本癌学会で発表しました。特許の盗用を警戒して積極的に宣伝していないからです。
脂肪再生豊胸注射も特許が盗用されて広く無断で使用されないように、まず特許侵害の対策をベリーベスト法律事務所にお願いして、その対策を講じてもらいつつ脂肪再生豊胸注射を進めてまいりました。皆さんが地方の医師で、まして大きな研究機関の医師でもない私が脂肪再生豊胸を開発できたのはどうしてだろうと考えられるのは不思議ではありません。おそらくわたしは運がよかったのだろうと考えています。 -
色々調べて成長因子を混ぜるやり方はかなり危険なことだと思います。その点について何もリスクを書かれていない脂肪再生豊胸注射は大変危険だと思います。 PRP治療による豊胸と勘違いされ、PRP治療による豊胸は危険だから脂肪再生豊胸注射も危険に違いないと思いますが、いかがでしょうか?
PRP治療、FGF治療は危険だから脂肪再生豊胸注射も危険といわれていますが、それは過度に皮下組織を膨隆させるからで、私もPRP治療、FGF治療は危険だと思います。ですから当院ではPRP治療、FGF治療はおこなっていません。FGF治療は高濃度のFGFを皮下組織に投与する方法です。PRP治療は数種類の成長因子を投与し、その中のTGF-βが皮下組織を硬くして、過剰に膨隆させてしまいます。
脂肪再生豊胸注射では前に説明しましたが、成長因子、合成脂質を血漿に添加します。成長因子などは生理活性物質とよびますが、生理活性物質を投与する場合、単純に比較してもその効果が予測できない場合が多いのです。違う言い方をすれば、医学現象は知識だけでは理解、解明できず、実際に行ってみないと何とも言えない場合が多いといえます。医学実験、医学研究、医学的治療は理論だけでは今のところのその結果を予測できません。生体の仕組みはそれほど複雑なので、実際に行ってみる必要が生じます。今までのPRP治療、FGF治療では成長因子投与する方法が適切でないので副作用が目立ってしまっています。脂肪再生豊胸注射ではある濃度の成長因子と合成脂質、血漿の存在が、皮下組織の繊維芽細胞ではなく、脂肪細胞に作用して、単なる、足し算、引き算、割り算、掛け算ではない効果を生み出しています。
PRP治療、FGF治療の方法を反省し、成長因子を慎重に使用すれば何も問題は生じません。特に、脂肪再生豊胸注射を6回までにすれば特に問題はおきません。投与した成長因子は2週間以内に体外に排泄されます。脂肪再生豊胸注射では再膨張はおきません。脂肪再生豊胸注射では脂肪組織とともに乳腺が大きくなります。乳腺が成長し続けるけるために成長因子を投与し続ける必要はありません。
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理系出身の私が脂肪再生豊胸注射の特許を読んでみた。これって、よく行われているPPP+PRP+FGFでは、豊胸するほどの量を作るのは大変なので、食べられない人の栄養点滴に使う脂肪乳剤で量を増やし、エマルジョン化して長く留まるように、さらに脂肪乳剤だから周囲の脂肪の栄養になってFGFとともに乳房の脂肪が増えるだろうという単純な発想のもとで作られたもののようですが、こういう理解でいいのでしょうか?
発想は医学的治療を足し算していったものではなく、生体内細胞培養を行うにはどうするかというところから始まりました。生体内細胞培養は学術的には再生医療といいます。乳腺を大きくするにはその支持細胞である脂肪細胞を増やす必要があると考ました。通常、細胞培養には血漿が必要で、ウシ胎児血清(FBS)が用いられます。FBSには多く多種類の成長因子が含まれます。そのFBSの替わりに塩基性線維芽細胞成長因子を用い、脂肪乳剤で脂肪細胞を刺激しています。この単純ではありますが、細部培養の概念に根差したやり方が功を奏したと考えています。
PPPジェル豊胸ですが、感染症が多かったようですが、脂肪再生豊胸注射では約200例中1例も感染症はありませんでした。
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脂肪再生豊胸注射では確かに豊胸用の体積は得られるが、PPP+PRP+FGFで問題になった過剰膨隆とかしこりとかの問題は回避出来ないんじゃないかな?
読者の皆さんにわかりにくいので解説します。PPPはPlatelet Poor Plasma(乏血小板版血漿)の略です。PPPジェルは血小板が少ない血漿を加熱してジェル状にしたもので、PPPジェルには細胞増殖作用はまったくありません。PPP+PRP+FGFはおそらく、し●が●美容外科さんでやられている豊胸術だと思います。
PPP+PRP+FGF豊胸はPRP+FGFというセルリバイブジータの方法にPPPというのを加えたのが、PPP+PRP+FGFではないかと思います。PPPにPRP,FGFを加えただけで脂肪細胞や乳腺細胞の生体内細胞培養ができるとは考えられません。また、PRP+FGFでは皮膚にしか効果がなく、脂肪組織、乳腺組織の増殖効果はありません。脂肪再生豊胸ではしこりはできませんし、脂肪再生豊胸注射では治療回数を6回くらいにコントロールすれば過膨張はありません。繰り返しますが、脂肪再生豊胸注射ではある濃度の成長因子と合成脂質、血漿の存在が、皮下組織の繊維芽細胞ではなく、脂肪細胞に作用して、単なる、足し算、引き算、割り算、掛け算ではない効果を生み出し、PRP治療やFGF治療と異なった結果をもたらします。
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では7回以上では過膨張が起きるということですか?半年後に再膨張することはないのですか?
いいえ、1回に大きくなる効率が上がってしまい、1回で1.5カップ大きくなるのではと思います。また、6か月後から、再膨張することは200例中1例もありませんでした。
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脂肪乳剤を血管の外に漏らすと炎症を起こして壊死や潰瘍が出来るって脂肪乳剤の説明書に書いてあるのですが、この副作用をどう説明しますか?
脂肪乳剤は血管の外に漏らす場合では真皮近くに注入することになります。真皮の近くに脂肪乳剤を投与すると皮膚の壊死や、潰瘍を起こします。脂肪再生豊胸注射では脂肪乳剤を脂肪組織層、乳腺と大胸筋筋膜の間に投与しますので真皮近傍に投与した場合と異なります。脂肪再生豊胸注射では潰瘍などは200例で1例もありません。
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とりあえず実際の経験者さんは口コミ広場では一人だけだけど、評価はとてもいいですね。でもまだ今後はわからないとしか言いようがありませんね。
200例ほど施術して今のところ大きな問題は何もありません。脂肪再生豊胸注射を開始して10年が経過しようとしていますが。長期的にも問題はないかと思います。脂肪再生豊胸注射の副作用として、5年前に3例脂肪再生豊胸注射に白血球混入によると思われる注射部位の色素沈着がみられました。ステロイド軟膏塗布と、トラネキサム酸内服で色素沈着は治療可能でした。ある薬剤の使用で脂肪再生豊胸注射後、2カップほど胸が大きくなった症例があります。これ以外大きな副作用は認めていません。
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私も脂肪再生豊胸注射の経験者です。そしてかなり定着しています。 探してもなかなか見つからない程度の小さなしこりはできたのですが、(美容には関係ない乳腺専門医で)定期的に検査もして、大きくなっていないし悪性でもないです。ですので脂肪注入そのものにはあまり否定的ではないのですが、まずは脂肪吸引しなきゃいけない。量などにもよりますが、やはりダウンタイムがしんどいし、私は吸引の跡が汚くのこってしまったのが残念です。 もうバストは満足なんですが、おしりなども大きくしたいのですが、もう脂肪吸引したくないので、注射でできたらいいのになあと思っています。バスト以外にもされた方がおられたら情報お聞きしたいですね。
2名で臀部(おしり)に脂肪再生豊胸注射を施術したところ皮下脂肪組織が増加しました。
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脂肪再生豊胸の治療内容、価格、リスク、副作用などをおしえてください。
脂肪再生豊胸の治療内容、価格、リスク、副作用などについて説明します。
脂肪再生豊胸溶液4および5の調整
お客様からヘパリン添加注射器に200ml採血し、血漿を分離する。国産の線維芽細胞成長因子(トラフェルミン®)溶液および国産の脂肪乳剤(イントラリポス®)をこの血漿に加えて脂肪再生豊胸溶液を調整します。
施術
笑気ガス吸入または麻酔クリーム塗布にて、鎮静または鎮痛をはかったうえでお客様の乳房皮下組織または乳腺後脂肪組織に22ゲージ注射針で脂肪再生豊胸溶液を注入します。脂肪再生豊胸溶液注入中は少なくとも動脈酸素分圧をモニターします。注入後15分から30分ベッド上で安静をはかる。止血を確認後、お客様に帰宅していただきます。
料金
脂肪再生豊胸溶液4を用いた場合:税別で初診料3,000円、脂肪再生豊胸溶液4注射料金340,000円、麻酔クリームまたは笑気ガス吸入20,000円、トラネキサム酸(6錠/日、処方代も含む)90日分10,000円で計373,000円、税込み402,840円。
リスク
ブラジャーサイズがAAカップ、Aカップでは脂肪再生豊胸単独で豊胸するばあいブラジャーサイズAカップに豊胸するのに3~4回の脂肪再生豊胸が必要で、施術費用が高価になります。ブラジャーサイズAAカップ、Aカップのかたはヒアルロン酸豊胸、アクア豊胸後に脂肪再生豊胸を行うハイブリッド豊胸をお勧めします。ブラジャーサイズがAカップの方でブラジャーサイズが1カップ(2.5cm)だけの豊胸を希望されるかたは脂肪再生豊胸だけの豊胸とハイブリッド豊胸の場合では施術費用に大きな差はありません。しかし、ブラジャーサイズがAカップの方が2~3カップ以上の豊胸を希望される場合はハイブリッド豊胸をお勧めします。
施術を受けられない方
卵アレルギーのある方ではアナフラキシーショックで死亡する可能性がありますので施術を受けられません。食事制限で体重を減らしている方、過酷な労働、運動を行う方、明らかな心疾患、抗血小板剤、抗凝固剤を服用中の方、免疫抑制剤を服用中の方、腎疾患、肝疾患にかかっている方、血中アルブミンが低下している方、高度の高脂血症(中性脂肪が500mg/dl)、癌に罹患している方、高度な貧血の方、膠原病、感染症に罹患している方は脂肪再生豊胸が受けられません。他に受けられない可能性の疾病がありますので、事前に医師にご相談ください。
副作用
脂肪再生豊胸の副作用は、乳房の色素沈着や赤み、かゆみで10%前後の頻度でみられます。乳房の色素沈着やあかみに対してはトラネキサム酸、かゆみに対しては抗アレルギー剤の投与で対応しています。脂肪再生豊胸ではトラフェルミン®を使用しますが、この薬剤に含まれるエデト酸によるアレルギーがあります。また、イントラリポスには大豆蛋白質は含まれていませんが、卵黄からの脂質が含まれ、アレルギーを起こすことが知られています。脂肪再生豊胸時には薬剤アレルギー、卵アレルギーの問診を行い、脂肪再生豊胸溶液注入時には血中酸素分圧を監視して行っています。今までに、脂肪再生豊胸時にアレルギー反応を認めた症例はありません。脂肪再生豊胸後に迷走神経反射と思われる胃の痛みや吐き気が1~数%の頻度で認められます。胃の痛みに対してはプロトンポンプインヒビター、吐き気に対してはドンペリドンが投与されます。脂肪再生豊胸時の痛みの軽減に笑気ガス吸入が行われますが、副作用として吐き気が数%の頻度で出現します。
術後に投薬が行われることがありますが、その副作用として覚えておかなければならないものは薬疹です。薬疹がでると、かゆみや腫れが生じますから、かゆみや腫れがある場合はすぐに薬剤師か医師に相談してください。そのため処方された薬剤の履歴は整理して保存してください。